header
 

トップページ > 本学会について > 設立趣意書・発起人

日本保険・年金リスク学会 設立趣意書

2003年10月1日

 21世紀において、日本の経済・社会環境に関わるリスクは、ますます複雑化、巨大化、グローバル化していく。それゆえ、家計のライフサイクルの設計や運営、企業の経営や戦略の設計、あるいは政府の公共政策の計画と運営において、おのおののリスクの構造を理解し、分析・管理していく必要性がこれまで以上に高まっている。そのため、リスクについての理論や分析手法も多様化・高度化していくことが求められている。中でも社会に実践的な立場からリスクの管理技術と管理手段を伝統的に提示してきた保険産業に対して, その進化と高度化の新しい要請が起こっている。さらに、少子高齢化の潮流と長寿化に関係する、リスク解析技術とリスクマネジメント法としての年金数理学の革新も緊急の課題である。

 歴史的な発展過程をみれば、保険業は200年以上も前からリスク保険商品を社会に提供してきたし、集合的リスク理論を中心としたリスクの数理解析を担い、その技術や分析を支えてきたのがアクチュアリー(保険数理人)であった。その意味では、アクチュアリーは最も古い金融エンジニアであったし、保険学は最も古いリスクの研究分野であった。

 他方で、金融を中心として主として個別リスクを研究する学問分野として、金融工学が注目をあびている。金融工学の果たす役割とその成果についてはすでにわが国においても確固たる評価が学会や社会においてなされている。

 しかし、こうした巨大化、複雑化、グローバル化するリスクについての研究は、主に金融リスクの研究を中心とする金融工学のみでは、多様な社会的ニーズに十分応えていくことが難しい。また伝統的に保険リスクの研究に特化してきた保険数理学のみでは十分であるとはいえない。

 そこで、両者を統合し、更に他の学際的な諸科学で得られた先端研究成果を共有することにより、新しいリスクの研究方法や分析手法、リスク管理技術を発展させ、その研究成果を広く社会へ還元していく必要がある。

 こうした観点に立って、保険数理や保険・年金に関心のある研究者や実務家が一同に会し、日本における新しい研究活動を推進していく場(フォーラム)として、「日本保険・年金リスク学会(ジャリップ)」の創立を呼びかけるものである。

 具体的には,日本保険・年金リスク学会(ジャリップ)は、広い意味での保険市場、保険リスク、リスクファイナンス、保険ビジネス・リスクマネジメント、保険リスクプライシングや、保険デリバティブ、年金リスクマネジメント、年金運用、などとその経済的・金融的意思決定に関わる理論的・実証的領域を研究対象とし、産官学にわたる多くの領域の研究者・分析者が自由闊達な意見交換、情報交換、研究交流および研究発表するための学術組織とする。その狙いは、会員がそれぞれの立場から個人ベースでリベラルな相互交流できる場を形成し、それを通じてこの領域を学術的領域として一層発展させ、国際水準に高めることにある。特に、次の点を創立の理念としている。

 第一に、個人の立場を尊重し、自由闊達な意見交換、研究交流、情報共有の場であること。

 第二に保険や保険数理はもちろんのこと、経済・法律・会計、金融工学・ファイナンス理論、数学・統計学など、社会科学と自然科学の広い分野の研究者・実務家の交流の場であること。

 第三に、既に実績のある研究者・アクチュアリー、実務家はもちろん、今後を担う若手研究者が活躍できる場であること。

 第四に、実務界と学会とが密接に交流し、理論を実務に適用し、また実務上の問題を理論的に検討する場であること。

 最後に、広く国際的な研究活動の場でもあること。

 組織は個人会員が基本であり、参加資格はこの領域に興味を持ち、個々の考え方の違いを互いに尊重しつつ、設立趣意に賛同するものとする。運営組織はリベラルかつ民主的なものとする。本学会への参加資格は、本学会の設立趣旨に賛同するものとする。

 保険と年金を中心としたリスクの研究や調査、あるいはその実際の運用にあたっている諸氏あるいは機関で、日本保険・年金リスク学会の設立の重要性を認識し、その領域の学術的研究のみならず実際的研究と調査の促進と発展を願う方々のご参加をぜひともお願いします。

設立発起人  (50音順)


相澤敏彦(東京海上火災)
朝香智雄(東京海上火災)
乾孝治(京都大学)
今井潤一(岩手県立大学)
今福愛志(日本大学)
岩城秀樹(京都大学)
臼杵政治(ニッセイ基礎研究所)
大塚忠義(RGA)
大森裕浩(東京大学)
小野正昭(みずほ年金研究所)
神楽岡優昌(武蔵大学)
加藤康之(野村證券)
金村慶二(住友生命)
刈屋武昭(京都大学)
楠岡成雄(東京大学)
国友直人(東京大学)
黒田耕嗣(日本大学)
小暮厚之(慶応大学)
小守林克哉(みずほ第一FT)
酒井重人(スイス・リー・キャピタルマーケッツ証券会社)
白井健史(東京海上火災)
杉田健(三井アセット信託)
高岡浩一郎(一橋大学)
田中周二(ニッセイ基礎研究所)
田中裕二(プルデンシャル生命)
手塚集(IBM基礎研究所)
畑満(社会保険診療報酬支払基金)
福田敬(みずほ第一FT)
藤木雅彦(ティリングハスト)
藤田岳彦(一橋大学)
松山直樹(明治生命)
三石宣史(ワトソンワイアット)
室町幸雄(ニッセイ基礎研究所)
森平爽一郎(慶応大学)
森宮康(明治大学)
森本祐司(インテグレイティド・ファイナンス)
矢島美寛(東京大学)
山内恒人(ソニー生命)
山口修(住友信託)
山本信一(ニッセイ基礎研究所)
湯前祥二(ニッセイ基礎研究所)
吉田敏弘(日本銀行)
吉田靖(住友生命)
米山高生(一橋大学)
渡辺孝二(みずほ第一FT)

以上(45名)

パブリックコメント・奨励賞

「科研費審査システム改革2018」に関する意見 pdf

日本保険・年金リスク学会(JARIP)は文部科学省に対し、「科研費審査システム改革2018」についてパブリックコメントを提出致しました。
(2016年5月23日)

「JARIP 論文奨励賞」pdf

下記の目的で、若手研究者を対象とした新人奨励賞を設置します。
・大学院生や任期付き等の大学関係者、若手研究者(いわゆる“新人”)の研究の奨励
・優良な論文を執筆した若手研究者に対する表彰
・JARIP 活動(研究発表大会、研究会、学会誌投稿など)の活性化
(創設:2015年7月31日)

   
  logo